予防接種とは

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毎日のお散歩やドッグラン等で他の犬と触れ合う犬はもちろん、ほとんど室内にいるという猫でも、ウイルスや細菌による感染症のリスクはあります。また、ペットホテルやドッグラン、トリミング等の施設では、ワクチン接種済みであることが利用条件になっていることが多くなっています。
何より愛犬・愛猫が健康に長く幸せに過ごせるように、法律で義務付けられている狂犬病はもちろん、任意のワクチン接種も推奨しています。

ワクチンは、年齢や飼育環境によって接種する種類が考慮されます。当院では、新たに動物を家族として迎え入れられたご家族様に、丁寧にご説明しています。
わからないことが ございましたら、お気軽にご相談ください。

また副作用やアレルギー反応もゼロではありませんので、すぐに対応できるよう、接種後15分程度は動物病院の近くにて様子を見られることをお願いしています。
予防接種に際しては、獣医師がまず丁寧に観察します。それにより思わぬ異常が見つかることもあります。

ワクチン接種

犬のワクチン

任意の予防接種として混合ワクチンがあります。
当院では、犬用としては5種混合ワクチンと7種混合ワクチンをご用意しております。

5種混合ワクチン

お外に出るのは散歩くらい。生活は基本市内が中心。

7種混合ワクチン

海・川・キャンプなど、市外にもよくでかけていく。

  • ※1/5種・7種両方の混合ワクチンに含まれるもの
  • ※2/7種のみに含まれるもの
コアワクチン(致死率が高いため、すべての犬への接種が推奨されているワクチン)
  • 犬ジステンパー(※1)
  • 犬伝染性肝炎(※1)
  • 犬アデノウイルスII型感染症(※1)
  • 犬パルボウイルス感染症(※1)
ノンコアワクチン(生育環境によって推奨されているワクチン)
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症(※1)
  • 犬レプトスピラ感染症(イクテモヘモラジー)(※2)
  • 犬レプトスピラ感染症(カニコーラ)(※2)

猫のワクチン

3種混合ワクチンと5種混合ワクチンをご用意しております。

3種混合ワクチン

完全室内飼いで、ほとんど外に出ることはない。

5種混合ワクチン

よく外出をする。ときどき脱走する癖がある。

猫の混合ワクチンでは、以下の感染症を予防できます。
  • ※1/3種・5種両方の混合ワクチンに含まれるもの
  • ※2/5種のみに含まれるもの
  • 猫ウイルス性鼻気管炎(※1)
  • 猫カリシウイルス感染症(※1)
  • 猫汎白血球減少症(※1)
  • 猫白血球ウイルス感染症(※2)
  • 猫クラミジア感染症(※2)

ノミダニ・フィラリア予防

春先になるとノミやダニ、蚊が活発になります。ノミやマダニが媒介する病気には、人に感染する危険なものも存在します。
また、蚊はフィラリアという寄生虫を感染させる危険性があります。検査・予防を通して、しっかり様々な危険から守っていきましょう。

ノミ・ダニの予防

ノミやダニ(マダニ)は、お散歩中など外出の際に寄生する以外にも、家族が外から連れてきてしまう場合もあります。
寄生されると皮膚炎や貧血、発熱、下痢、神経症状などを引き起こし、中には人に感染して重症化すると、命に関わるものもあります。

予防薬の使用は、年間を通して行うことを推奨していますが、特に3月から11月の間は予防薬を使うことで、大切な動物やご家族を守るようにしましょう。

フィラリア予防

蚊によって伝播するフィラリアという寄生虫が原因となる病気に犬フィラリア症(犬糸状虫感染症)というものがあります。
蚊に刺されることで感染し、心臓内や血管内に寄生して、咳や呼吸困難、血尿などの症状を引き起こします。
場合によっては命に関わる危険なものですが、薬によって確実に予防することができる病気でもあります。

予防薬は投薬前の1カ月間に体内に侵入したフィラリアを駆虫するもので、蚊から感染したフィラリアの幼虫が、心臓にたどり着くまでに、完全に殺してしまうものです。
すでにフィラリアに感染してしまっている場合は、投薬するとショック症状を引き起こしてしまう場合がありますので、予防薬を使用する前に血液検査をします。

投薬時期は、気温によって変動がありますが、当院ではおおむね4月下旬~11月末(蚊がいなくなってから1か月後)までの期間を推奨しています。基本的に月1回の投薬を行います。

また、犬フィラリア症は、猫やフェレットに感染することもあります。猫やフェレットの場合は血液検査を行わずに、スポット剤での予防を行います。

投薬する薬の種類

お薬は以下のように様々なタイプがあります。それぞれの生活スタイルや体質、性格に合わせて選ぶことができますので、お気軽にご相談ください。

  • おやつタイプ画像
    おやつのようで、月1回のお楽しみにもなるタイプ
  • ごはんタイプ画像
    ごはんに混ぜられる錠剤のタイプ
  • 滴下タイプ画像
    首の付け根に垂らすだけの滴下タイプ
  • チュアブルタイプ画像
    フィラリアとノミの同時予防が可能なチュアブルタイプ
予防のスケジュール

予防薬の投薬時期の目安は以下のようになります。

3月~
  • 暖かくなってくると、ノミやマダニの活動が活発になります。3月からはノミ・マダニ予防が重要なシーズンとなります。
  • 犬については、体内に虫がいる状態で予防薬を飲んでしまうと大変危険ですので、毎年シーズンの初めには血液検査をして体内に犬糸状虫がいないことを確認することが大切です。
    4月下旬までにはフィラリア検査を受けるようにしましょう。
4月 4月下旬からフィラリアの予防薬の投薬を開始します。忘れずに月1回、投薬するようにします。
12月 蚊がいなくなってから1か月後が、シーズン最後の投薬期間になります。

狂犬病予防注射

狂犬病は人獣共通伝染病といい、犬だけではなく、人や猫、鳥など哺乳動物のすべてが罹りうる伝染病で、致死率がほぼ100%という非常に恐ろしい病気です。
日本では「狂犬病予防法」により、毎年1回の狂犬病予防のワクチン接種と登録が、飼い主様に義務付けられています。

1957年を最後に日本での発生事例はありません(海外で感染して日本国内で発症した事例は1970年と2006年に各1例あります)。
しかし中国や東南アジアでは毎年死者が発生しており、海外旅行中や輸入された動物から感染する可能性も否定できませんので、犬だけでなく人やそのほかの哺乳類の命を守るためにも、接種は必須です。

※混合ワクチンと同時接種することはできませんので、間隔を空け、別々に接種することになります。

※当院で市への登録手続きを代行する場合

代行費用はいただいておりませんが、注射剤票代(550円・現金)をお預かりし、まとめて登録に行くため2か月ほどお時間をいただきます。
新規登録の場合は他に3,000円(現金)がかかります。

  • 市から届いたおハガキ
  • 黄色い愛犬手帳

上記をお持ちください。

避妊 去勢手術

避妊・去勢手術は、本来、望まれない妊娠によって、不幸になる動物たちが生まれないようにするという目的のもと、行われるものでしたが、近年では、避妊・去勢手術によって動物たち自身に、健康面で将来的なメリットがあることも考慮されるようになっています。

とはいえ、体にメスを入れる手術ですので、メリットに加え、デメリットもあります。

去勢手術(オス)のメリット

  • 前立腺肥大症、精巣腫瘍、肛門の周囲に発生する腫瘍、会陰ヘルニアなどの予防
  • 攻撃性が低下して穏やかになり、しつけがしやすくなる傾向になる
  • 尿のマーキング(スプレー行為)の減少
  • など

避妊手術(メス)のメリット

  • 乳腺腫瘍、卵巣腫瘍、子宮蓄膿症などの予防
  • 発情時の出血、夜泣きなどの抑制
  • 幼い性格の維持
  • など

去勢・避妊手術のデメリット

  • 手術時の全身麻酔による呼吸不全、心不全、ショック症状、肝臓や腎臓への負担などのリスク
  • 縫合糸に対するアレルギー反応
  • 持続的な出血(血液凝固機能に障害のある場合。事前の検査をおすすめします)
  • 手術時の痛みや恐怖に対するストレス
  • 手術の影響による潜伏ウイルスの発症(事前のワクチン接種をおすすめします)
  • など

避妊・去勢手術の実施に当たっては、手術の内容、手術時間、費用、起こりうる合併症などについて、事前にしっかりと、丁寧にご説明いたします。わからないことや心配なことがございましたら、なんでもご遠慮なくお尋ねください。

※基本的には1泊2日の入院となります。ワクチン接種・ノミ及びダニ予防は必ず行います。